導入事例

4週8閉所の100%実現に向け、1現場あたりの施工管理業務を月10時間削減

大和リース株式会社

  • グリーンサイト
  • ワークサイト
  • 業務効率化
  • 元請会社
大和リース

大和リース株式会社

大和リース株式会社

  • 業界:建物リース業
  • 従業員:1,001名~5,000名

大和リース株式会社は、建設現場の仮設事務所や仮設校舎、仮設庁舎、大規模災害時の応急仮設住宅等のリース事業を軸に、システム建築やPPP/PFI、商業施設の開発や運営、緑化、カーリース、自走式立体駐車場などさまざまな事業を手がける総合建設会社です。2024年4月より建設業に適用される時間外労働の上限規制に向け、大和リース株式会社では全社を挙げて働き方改革に取り組んでおり、すでに技術職員の平均残業時間が45時間/月を下回っています。加えて、2024年4月には4週8閉所の実施率が80%達成の見込みと伺っています。

今回、そのサポートの一助として導入いただいている「建設サイト・シリーズ」の活用方法について、本社安全管理部 部長の笹森秀昭様にお話を伺いました。

お話を伺った方:
本社安全管理部 部長 笹森秀昭様
(取材時期:2023年11月)

作業間調整会議システムの帳票入力・転記の手間がネックに

MCデータプラス(以下、「MCDP」):建設サイト・シリーズの「ワークサイト」導入前の課題を教えてください

笹森様(以下、「笹森」):当社は4週8閉所の100%実現へ向けて、人の頑張りだけに頼らない仕組み作りに取り組んでいます。その一環として安全日誌や安全指示書の作成業務軽減、朝礼昼礼の短縮化を目的とした作業間調整会議のシステム導入を検討していました。

当初は他社の類似システムにて試験運用を行いましたが、安全日誌、安全指示書、KY活動報告など帳票の初期設定に必要なシステム入力・転記作業が手間で立ち上げに苦慮していました。当社の現場は、1プロジェクトあたり平均40社程度の協力会社が関わるため、その分の情報を入力・転記するのが手間だったのです。この点で、当社全体で常時稼働する150プロジェクトにシステムの利用範囲を拡大するのは難しいと考えました。

本社安全管理部 笹森秀昭部長

グリーンサイトとの連携で、システム利用の初期設定作業を軽減 コストも魅力的

MCDP:ワークサイトを導入した決め手を教えてください。

笹森:当社が建設サイト・シリーズの施工管理サービス「ワークサイト」を導入した決め手は主に3点です。

まず、1点目は初期設定作業の手間が少ないことです。当社はもともと労務安全書類の作成・管理で建設サイト・シリーズの「グリーンサイト」を導入していました。ワークサイトは、そのグリーンサイトに登録されている現場情報や編成情報、作業員情報などが自動連携されるので、帳票の初期設定の入力・転記の負荷が軽減できます。これにより試験運用で挙がっていた課題が解決できると考えました。

2点目は日々の業務効率化が見込めることです。ワークサイトでは調整会議に必要な情報の入力、確認、共有が簡単にできます。また、その入力情報をもとにKY活動や安全指示に必要な帳票が同時に作成できるので、現場業務の効率化が実現できると考えました。

3点目はコスト面です。当社は建設サイト・シリーズの「プライムサービス」を契約しており、CCUSデータ連携サービスを利用していました。ワークサイトはプライムサービスに含まれるため、追加費用なく導入することができました。

1現場あたり月10時間の削減
今後、全社で月1,500時間の削減を目指す

MCDPワークサイト導入後の効果を教えてください。

笹森:まず、以前に試験運用していたシステムと比較すると初期設定の手間が減ったので、現場での利用が広がりました。その結果、ワークサイトの利用による業務効率化、時間短縮の成果が出てきています。具体的には、ワークサイトの導入によって帳票や配置計画図の作成が簡易になったこと、それにより朝礼・昼礼の時間が短縮できたことで、業務時間が1現場当たり1日30分削減できました。月換算にすると現場ごとに10時間の削減となります。ワークサイトの導入現場全てで活用できれば、単純計算ですが全体で月1,500時間の削減が見込めます。

帳票の作成と配置計画図の作成が楽になったのは、ワークサイトに一度データを登録するとKY用紙準備の際に業者名・職長名・作業内容・安全指示事項が自動で入力されるからです。転記の手間が大幅に削減できます。手書きだった工事日報もPCやスマートフォンで入力できるようになったので、入力やチェックにかかる時間が削減できるようになりました。
朝礼・昼礼が短縮できたのは、調整会議の進め方が効率的になったからです。従来は昼礼時に各職長から翌日の作業内容・人員・搬入予定を報告してもらい、当社社員が帳票を作成していました。それが現在では職長がワークサイトへ事前に入力した内容を当社社員が確認・調整するだけとなりました。また、朝礼や昼礼時に掲示していた配置計画図はPC上で編集でき、サイネージに投影できるために作成・印刷の時間も削減されました。

私たち安全管理部にとっても、情報がデジタル化されることで検索効率が高まり、過去に熱中症になった職人がすぐに把握できるようになるなど、知りたい情報へ辿り着くスピードが上がったのは良かったですね。

左:スマートフォンで工事日報を入力/右:昼礼風景。事前に入力された内容を元請・職長で確認・調整

従来の運用フローの変更なくワークサイトを活用

MCDP:建設サイト・シリーズの導入で工夫されたことを教えてください。

笹森:これまでの調整会議の運用フローを大きく変えることなく、ワークサイトを活用できています。スムーズに作業間調整会議が実施できるように、情報の入力・出力の時間等を決めたりはしましたが、大きくルールを変更するなどの苦労はありませんでした。

ただし、施工フェーズが変わるたびに協力会社や職人が入れ替わるので、使い方に慣れない方も一部いらっしゃいます。当社は2022年10月にワークサイトを導入したので、継続してワークサイトの使い方を教育していく必要があると考えており、それが目下の課題です。また、ワークサイトの機能拡充によって、協力会社、職人の利用メリットがさらに大きくなることを期待したいですね。

4週8閉所の100%の実現には業界全体の協力が必要
安全管理の「予測対策」を目指す

MCDP:今後取り組んでいきたいことについて教えてください

笹森:当社は2024年4月に4週8閉所の実施率が80%達成の見込みですが、残りの20%は現場だけで解決できることではないと考えています。受注の段階で工期などを調整できるか、業界全体の協力が必要になってくると思います。

安全管理領域においては、建設サイト・シリーズを活用しながら、労務安全書類や調整会議等の業務効率化をより一層進めていきたいと考えています。デジタル化が促進され、必要なデータを各種集積できるようになるので、今度はそれをさまざまなシーンで活用していきたいと考えます。例えばサイネージの充実や、バックオフィスによる現場支援など可能性は広がるでしょう。
「現場の見える化」「安全の見える化」を進め、事故が発生した際に取り組む“事後対策”から事故を予測し未然に防ぐ“予測対策”へと進化させていくことを目指していきます。

企業情報

社名 大和リース株式会社
URL https://www.daiwalease.co.jp/
事業内容 規格建築事業、流通建築リース事業、リーシング ソリューション事業、環境緑化事業等
所在地 大阪府大阪市中央区農人橋2丁目1番36号 ピップビル
創業 1959年
資本金 217億6,838万2,519円(2023年11月末現在)