導入事例

現場での安全書類の確認時間を大幅削減 CCUS加入状況集計業務も容易に

新菱冷熱工業株式会社様

  • グリーンサイト
  • cacicar for 建設
  • CCUSデータ連携サービス
  • 業務効率化
  • 情報の一元管理
  • 元請会社
  • 協力会社

新菱冷熱工業株式会社

新菱冷熱工業株式会社

  • 業界:設備工事業
  • 従業員:1,001名~5,000名

新菱冷熱工業は、空調、電気、給排水衛生、コージェネレーションなどの総合的な環境づくりを担う、環境エンジニアリング企業です。安全書類作成サービス「グリーンサイト」をはじめとした建設サイト・シリーズを元請会社、協力会社双方の立場でご活用いただいています。

今回は、建設サイト・シリーズの導入推進を行い、ご活用いただいている技術統括本部 安全衛生推進部の方々にお話を伺いました。

お話を伺った方:
技術統括本部 安全衛生推進部 労務一課長 臼井 克様(写真中央)
技術統括本部 安全衛生推進部 労務二課長 原田 英雄様(写真右)
技術統括本部 安全衛生推進部 労務一課 焼山 理沙様
(取材時期:2023年12月)

作業間安全書類の二重運用が協力会社の事務負担に

MCデータプラス(以下、「MCDP」):建設サイト・シリーズ導入前の課題を教えてください

臼井様(以下、「臼井」):安全書類作成サービス「グリーンサイト」を導入してから現在まで、大きく2つのステップで改善を続けながら利用を進めています。

当初はお取引するスーパーゼネコン(元請会社)がグリーンサイトを導入していたため、協力会社の立場でグリーンサイトを利用していました。一方で、当社が元請会社の立場で安全書類を作成する際は独自のフォーマットでの運用でした。そのため、当社の協力会社にとっては、グリーンサイトと当社の独自フォーマットを利用してもらう“二重運用”の状態となっていたのです。これにより、当社の協力会社には余計な手間をかけていましたし、当社としても安全書類の作成に関わる確認、管理業務が煩雑になっていました。

原田様(以下、「原田」):当社独自のフォーマットは紙での運用だったので、再提出が面倒なことから、協力会社からは現場に新規入場する可能性があるすべての作業員の名簿が提出されてきました。そのため、実際に入場してくるかもわからない作業員まで事前チェックすることになり、結局はチェックが無駄になることもありました。
また、急に名簿に載っていない作業員が応援で来ることになった際、協力会社が新規入場の当日までに必要な書類の提出が間に合わず、入場できずに作業に支障をきたすこともありました。

臼井:こうした問題の解決のために、まず2012年に元請会社の立場でもグリーンサイトを導入し、全社的に安全書類の作成方法を統一しようという動きになりました。そして次のステップとして、全国の現場の安全書類を本社で一括管理する体制の構築を進めました。

写真左から臼井 克様、原田 英雄様、焼山 理沙様

安全書類の二重運用解消の選択肢はグリーンサイト以外にない

MCDP:建設サイト・シリーズを導入した決め手を教えてください。

臼井:安全書類の運用統一のために導入するシステムの選択肢は、グリーンサイト一択でした。
グリーンサイトはスーパーゼネコンをはじめとした多くの元請会社で利用されており、当社に関係する協力会社の加入率も高かったからです。そのため、他のシステムを導入しても二重運用の状況が改善できないと考えました。また、自社でシステム開発、およびメンテナンスを行うには莫大な費用がかかります。建設サイト・シリーズであれば追加費用なく、法令に即したアップデートがされるのも利点でした。

安全書類の二重運用を解消して急な変更にも対応可能に

MCDP建設サイト・シリーズ導入後の効果を教えてください。

臼井:安全書類の“二重運用”状態を解消できたことで、当社の協力会社の事務作業を軽減することができました。また、協力会社とデジタルでのやり取りが可能になったので、急な協力会社の新規入場や作業員追加登録に対応できるようになりました。
他にも、グリーンサイトの通門管理機能に蓄積された現場ごとの入場記録が、CCUS(建設キャリアアップシステム)に就業履歴として自動でデータ連携されるのも助かります。

安全書類の一括管理により現場負担を大幅に削減。
CCUS加入状況集計業務も容易に

臼井:グリーンサイト導入後の次のステップとして、2016年以降は全国の現場安全書類を本社で一括して、内容チェックするようになりました。これにより、さらに効果が大きくなりました。専門知識のあるメンバーで書類をチェックするチームを編成しているのですが、現場からは書類チェックの手間が大幅に減ったので「非常に助かる」「現場管理者が施工管理に集中できる」というコメントもあります。

原田:他にも、元請会社や日空衛(一般社団法人日本空調衛生工事業協会)に報告している、協力会社のCCUS加入率や外国人技能実習生の入場数などの集計が数分でできるようになりました。

焼山様(以下、「焼山」):これは、「cacicar for 建設」を使って、グリーンサイトに集積したデータから必要なデータを集計して回答できるようになったからです。グリーンサイトを全現場に導入しているからこそのメリットですね。一方、グリーンサイトを導入していない元請会社に報告を行う場合は、必要なデータを手作業で集計しなければならず、1現場の集計に1~2時間は要するので数人で手分けをしています。この違いは大きいです。

グリーンサイト定着のために行った2つの施策

MCDP:建設サイト・シリーズの導入で工夫されたことを教えてください

臼井:2つほど挙げられます。まずは2012年に全社でグリーンサイトを導入するにあたって、北海道から沖縄まで各支社や拠点で説明会を開催したことです。グリーンサイト導入当初は協力会社や現場から操作方法などの問い合わせが入っていましたが、説明会を開催したことで少しずつ落ち着いていきました。

次にルールづくりとその周知です。
最初から一足飛びに運用ルールをすべて変えるのは難しいと思い、グリーンサイトの利用と並行して当社の独自帳票の扱いなどのルールをつくり、社内に周知しました。現在はグリーンサイト内に独自帳票を添付できますが、その機能が実装される以前はどのように扱うのが良いかなどをMCデータプラスさんにアドバイスをもらいながら対応しました。

焼山:その他、安全書類のチェックチームを立ち上げたときにもいくつかの工夫をしました。まず、業務設計は建設サイト・シリーズのマニュアルを活用し、チーム業務マニュアルに落とし込みました。本社で安全書類の内容をチェックするためには建設業法などの関連法規の知識を有していることが必要です。チェック表や手順書などを作って確認のレベルを統一するよう対応しており、今も日々改善しています。

今後はデータを活用しながら建設現場の生産性向上を進めたい

臼井:グリーンサイトには日々の利用を通じて多くのデータが集積されているので、今後、建設現場の生産性向上をさらに推し進めるためにも、いろいろな場面でそれらのデータを活用していきたいと思っています。

企業情報

社名 新菱冷熱工業株式会社
URL https://www.shinryo.com/
事業内容 空調・給排水衛生・電気設備・コージェネレーションシステムなどの総合的な環境づくりを担う、環境エンジニアリング企業
所在地 東京都新宿区四谷一丁目6番1号
創業 1956年
資本金 35億円(2023年9月末現在)