導入事例
労務安全書類に関わる業務効率が向上し残業時間が減少!協力会社の「グリーンサイト」利用率の高さが決め手に
梅林建設株式会社様
- グリーンサイト
- ペーパーレス
- 業務効率化
- 情報の一元管理
- 元請会社

梅林建設株式会社
- 業界:総合建設業
- 従業員:101名~500名
梅林建設は創業120年超の大分県を代表する総合建設会社です。「建設を通して地域社会に奉仕する」を基本理念に掲げ、公共施設の建設をはじめ地域に根付いた建築・土木事業を手掛けています。建設現場における働き方改革にも積極的に取り組んでおり、その一環で「グリーンサイト」を2023年から活用しています。
今回は全現場の管理を担い、グリーンサイトの導入をリードした建築部の仲村 省二様、増冨 善明様、土木部の武津 勝規様にお話を伺いました。
お話を伺った方:
建築部 工事課長 仲村 省二様、建築部 工事課 増冨 善明様、土木部 次長 武津 勝規様
(取材時期:2025年3月)
労務安全書類業務に関わる若手社員の残業が常態化
MCデータプラス(以下、「MCDP」):グリーンサイト導入前の課題を教えてください。
仲村様(以下、「仲村」):労務安全書類の作成にまつわる若手社員の業務負荷が高いことが課題でした。日々職人さんが帰った後、事務所で夜遅くまで作業することが多々あり、繁閑の差はありますが残業も多く発生していました。働き方改革の一環としてもこうした状況を改善しようと、社内で「建設DX検討委員会」を立ち上げ、グリーンサイトの他にも工事写真管理アプリなど現場の負担が軽くなるさまざまなツールを検討しました。

協力会社の「グリーンサイト」利用率が圧倒的に高かった
MCDP:グリーンサイトを導入した決め手を教えてください。
仲村:導入にあたり、グリーンサイトを含めて4社を選出して比較検討するなかで、2社に絞り最終検討しました。操作性やコスト面、帳票類の対応状況などを考慮しました。他にも、協力会社にアンケートを実施したところ、回答のあった79社のうち77社がグリーンサイトを使用しており、他社のツールと比較しても圧倒的にグリーンサイトが多く使用されていたことがわかりました。また、大分県内で実際にグリーンサイトを導入している同業他社が3社ほどあることが分かったので、そこの話も参考にしました。
武津様(以下、「武津」):協力会社の利用率が高かったことが決め手の6~7割を占めています。もちろん価格面も重要ですが、導入しても現場で誰にも使われなければ、せっかくのデジタル化も意味を成さないため、協力会社の多くが既に使用していたことが大きな決め手となりました。
残業時間の削減を実感でき、労務安全書類の質も向上
MCDP:グリーンサイト導入後の効果を教えてください。
仲村:現場で感じるのは、労務安全書類の作成や管理が効率化されたことで社員が残業する姿をあまり見かけなくなったことです。2~3年前は夕方から夜にかけて事務所で書類のまとめや確認する社員の姿を見かけることが常だったのですが、ここ最近はそういった姿を見なくなりました。感覚的ですが、労務安全書類に関係した業務時間でいうと、1週間で2時間程度削減できていると思う現場があります。仮に当社で稼働している全ての現場でそれを実現できたとすると、1カ月で200時間相当が削減できていることになります。建築事業は関わる協力会社の数も多いので、労務安全書類のファイルもその分増えます。そこの業務が省力化できたことは、体感としてとても大きな変化です。
武津:労務安全書類のアウトプットの質が向上し、協力会社への不備の指摘や修正依頼が減りましたよね。紙で運用していた時は、不備を見つけた場合、同じ協力会社でも、現場ごとに都度修正の対応と差し替えをお願いしていましたが、グリーンサイトの場合は、1回指導して修正をしてもらえば他の現場にはその内容が自動で反映されるので、効率は各段にアップしました。
増冨様(以下、「増冨」):われわれから依頼した修正箇所に関する協力会社からのレスポンスも早くなりましたよね。
武津:そうですね。以前は、職長など中間に入る方を通じて協力会社へ修正の依頼をしていましたが、グリーンサイトになってからは、直接協力会社に修正を通知できるようになりました。
増冨:また、最近必要書類の提出状況がさらに見やすくなりましたね※。直感的に「ここは出てない」とすぐにわかるのは若手社員にとっても負担軽減につながっていると思います。施工体系図の作成についても、かつてはエクセルで作っていましたが、グリーンサイトになってからは、ボタン一つで自動で作成されるようになったことで大きな手間を省けていると感じます。総じて元請会社、協力会社双方の効率化につながっていると感じています。
※2024年7月のアップデートで提出書類一覧画面を一新して、書類の作成・提出状況を見やすくした。

仲村:現場へもアンケートを採り、以下のようなコメントをもらっています。
- グリーンサイト上で検索すれば協力会社の情報がすぐに見つかるので手間が減った
- 提出状況が一覧で可視化されるため、未提出書類のチェックにかかる時間が大幅に減った
- 提出情報の管理が容易になり、健康診断や期限切れ情報が一覧で確認できて便利
- 紙からクラウドに変わりファイリングが不要になることで、資格情報の差し替えや追加が簡単になった
- クラウド管理により、現場外でも情報を確認できて便利
- ほぼすべての協力会社が利用しているため、統一性がある
一気に切り替えるのではなく、段階を踏みながら少しずつデジタル化のメリットを体感してもらう
MCDP:グリーンサイトの導入で工夫されたことを教えてください。
増冨:導入開始当初は、運用も含めてすべてが初めてなので、われわれも慣れるのにしばらく時間はかかりました。われわれがプロジェクトの登録を行い、現場で運用してもらうために問い合わせも多く受けました。最近は浸透が進んだので、プロジェクトの登録も現場でおのおのが行うようになり、不明点はヘルプデスクなども活用してもらいながら、徐々に私への問い合わせも減っていきました。
武津:こうしたDXツールを導入する際によくあることだと思いますが、ベテラン技術者が苦労することが多いのです。そのため一気にグリーンサイトへ切り替えるのではなく、導入当初は紙とデジタルの“ダブルスタンダード”を許容し、徐々にデジタル化に慣れてもらいながら乗り越えました。半年から1年ぐらいかけて、デジタル化したほうが省力化につながることをアピールしていくうちに、ベテラン技術者所長も「グリーンサイトを使いたい」と言ってくれるようになりました。
仲村:協力会社からの口コミで広がっている実感はありますね。これまで、デジタル化に興味を示さなかった技術者の所長でも「所長の現場ではグリーンサイトは使わないの?」と、協力会社の方から推薦をいただくことで使い始めたというケースもありました。

他サービスとの連携も視野に入れながら現場業務の効率化をさらに進めたい
MCDP:今後取り組んでいきたいことについて教えてください。
仲村:今後は、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携や、現場の施工管理・調整業務を効率化する「ワークサイト」の導入検討も含めて、現場の業務効率の向上につながる取り組みを進めていきたいです。特に、協力業者との連携を強化し、現場での効率化をさらに進めていければと考えています。
企業情報
社名 | 梅林建設株式会社 |
URL | https://www.umebayashi.co.jp |
事業内容 | 土木・建築工事事業、地域・都市開発事業、不動産事業 ほか |
所在地 | 大分県大分市舞鶴町1丁目3番18号 |
創業 | 1902年 |
資本金 | 1億円(2025年3月末現在) |